CASE事例紹介
不動産相続では、思わぬ相続
(争族・争続)がつきものです。
事前に事例を知ることで、
対策することができます。
実家の相続争い
『無効と判断された遺言書』
相続が発生したTさんからのご相談でした。
初七日もすぎ、少し落ち着いたころに妹のHより「実家の遺品整理をしていたら遺言書がでてきた。」と連絡あり、遺言書を開封したところ「すべての財産をHに相続させる」旨の記載があったとのことでした。
以前、Tさんは被相続人の父より「嫁にいってもお前にもしっかり財産は残してやる」と言われていたので疑問を抱き、以前、取引のあった弊社にご相談いただきました。
遺言書を確認した際に、明らかに父の字体ではなく、妹Hが偽造したのでないかと疑いをもたれたのです。
Tさんとして、妹Hは父母の面倒をみてくれているので感謝もしていますし、財産を多めに相続してもらっても良いと思っています。
しかし、遺言書を偽造していたというのであれば話は違います。
まずは、妹Hに直接聞くことにしましたが、妹Hは父が書いたもので間違いないとの一点張りです。
話が進まないので、弁護士を立てて家庭裁判所にて遺言書の筆跡鑑定を依頼しました。
調査の結果、遺言書は父の筆跡である可能性は極めて低いと判断され、無効であることが決定しました。
Tさんとしても妹と揉めたいわけではないので、話し合いのすえ、お互い納得のいくところで折り合いをつけることで、なんとか収めることができました。
今回の揉め事の原因は、「遺言書」が残されていなかったことです。
どのような形であれ『介護で大変世話になった妹Hへ●●を、姉Tには●●と』遺言書を書き残していれば、裁判所で争うこともありませんでした。
紛失や偽造の懸念があるのであれば、公正証書遺言や2020年7月10日よりスタートする「法務局の自筆証書遺言書保管制度」を利用する手段もあります。
財産を残す方が、適切な準備をしておくことで、残された方たちの揉め事を未然に防ぐことができます。しかし、現状は遺言書がないことで、相続人同士での争いが絶えません。
弊社の相続勉強会では、「遺言書」の重要性を常にお伝えしております。
「遺言書」を作成したいという方はお気軽にご連絡ください。
※遺言書の作成については、提携士業と連携のうえご提案させていただきます。
不動産相続事例
「お子さまのいない夫婦間の相続」
5か月前に夫を亡くしたTさんからのご相談です。
相続に関して、夫の甥姪から相続権を主張する通知が来てどうしたら良いかという内容でした。
まずは、相続人の調査をしたところ、Tさんの夫には弟が1人、妹が2人いました。
弟には子が2人、妹の一人にも子が2人、もう一人の妹は独身でした。
弟と子がいる妹はTさんの夫より先に亡くなっており、子が代襲相続をします。
Tさんは自分たちに子供がいないので、夫の財産はすべて自分が相続するものだと思っていたとのことです。
しかし、子がいない夫婦間の場合、親もしくは兄弟姉妹に相続権があります。
今回の場合、両親がすでに他界していた為、兄弟姉妹が相続人となります。
更に、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、その子供が代襲相続をすることになります。
お話を伺っていくと、Tさんの夫は生前、すべての財産をTさんに相続させるから安心して老後を過ごしてくれと言っていたそうです。
しかし、あくまで言葉で伝えていただけで、遺言書は残されておりませんでした。
今回、1番の問題点は“遺言書”を作成していなかったことです。
遺言書を作成していれば、Tさんにすべての財産を相続させることができました。
兄弟姉妹には遺留分がありませんので、その後請求されることもありません。
生前に遺言書を作成しておくことで、Tさんの老後は守ることが出来ました。
しかし、相続が発生してからでは手の打ちようがありません。
今回、相続人すべてに相続財産を分配するには現金が足りませんでした。
そのため相続財産のうち、Tさんの自宅を売却するしかありません。
弊社としては、せめてもと少しでも良い条件で売却するお手伝いをさせて頂きました。
しかし、Tさんとその夫の想いを実現させることは叶いません。
“遺言書”は争いを防止するだけではなく、配偶者を守るうえでも重要な役割を果たします。
弊社の相続勉強会では、遺言書の重要性を伝えております。
人は、いつ、どこで、何が起こるか分かりません。
そんな時のために、自分はまだ大丈夫ではなく、1日でも早く遺言書を作成することを推奨いたします。