CASE事例紹介

不動産相続では、思わぬ相続
(争族・争続)がつきものです。
事前に事例を知ることで、
対策することができます。

不動産相続事例

収益が悪い“赤字不動産”の相続。有効活用するには?

ご相談にいらっしゃったY様ご夫婦は、不動産のオーナー様でした。
Y様の父は既に他界されており、弟様が2人いらっしゃいます。ご夫婦にお子様はいらっしゃいません。

お持ちの資産は800坪の敷地に母屋(お母さま宅)とY様のご自宅が建っています。
その他に、賃貸アパートが4棟、太陽光発電をお持ちです。

 

1.相談内容

お母さまは現在お元気で暮らしていますが、万が一を考えて遺言を書いておくにも書き方が分からない。
そのことがきっかけで、お母さまはY様ご夫婦に相談し、将来を考えて今のうちに相続対策をしようと考えました。

 

2.課題、問題点

●兄弟間で揉めるのではないか?

お父様が無くなった時に自宅はお母さまが、そのほかの不動産はすべてY様が相続しました。その際、兄弟には現金で分割をしています。
しかし、今度は状況が異なります。
下の弟様は現在結婚していますが、賃貸住まいのため「自分の家が欲しい」と言っており、お母さまが無くなった時には、下の弟様は不動産を欲しがるでしょうし、そうなると上の弟様も欲しがると思われます。
今回も現金で分割か、あるいは土地を渡すべきか、Y様は悩んでいました。

●賃貸アパートは収入より支出が多い状態。そのまま相続すべきか?

4棟ある賃貸アパートですが、現在空室が増えてきており家賃も下がっている状況です。
そのまま相続しても負担になる可能性が高く、赤字であればかなり大きな負担です。
そこでこの機会に、賃貸アパートについても改善を施したいとY様は考えていました。

 

3.解決策

●資産状況を整理するため、ROA診断を実施する

まずY様の所有財産の内容と相続評価、市場評価(価値)、収益性の現状を把握するため、ROA診断をお勧めしました。
ROAとは、Return on Assetsの略で、事業に投下されている資産に対して利益がどれくらいあるかを示した指標です。その資産がどれだけ効率性があるかを測ることができます。
ROA診断を行うことで資産状況が全て見える化され、Y様も現状をはっきりと把握することができました。

ROA診断では、Y様の資産はほぼ不動産で分割ができないということ、所有する不動産の収益が悪化しているという2点が明確化されました。

●土地全体の再開発を行い、アパートの収益を改善

実際に現地へ行くと、アパート2棟は入り口が道路に面しているのですが、後の2棟は遠回りしない限り入り口には入れない作りとなっていました。
なぜかと言うと、道路側2つのアパートの間は室外機などの設備置き場として使われており、人が通れるほどの空間がないためでした。
一方で、その付近にある母屋は老朽化が進み、高齢のお母さまが住むには寒く住みづらい家となっていました。

そこで、母屋を改修すると同時にアパート4棟の領域を整理し、奥のアパートに入りやすいように動線を作ることを提案しました。
そうすることで、賃貸アパートの空室率と、母屋の老朽化の両方の問題を解決できます。

これにはY様もご納得いただくことができました。

●資産を整理した状態で兄弟間の配分を検討する

近隣の太陽光発電についても、収益率が悪いということが問題となっていました。
そこで、太陽光発電については賃貸アパートを建てて別の土地活用をすることをご提案しました。

収益シミュレーションの結果、賃貸アパートの方が利益が出そうだと言うことで、こちらもY様は快諾。
母屋の次はこちらに取り掛かることになりました。

これらにより、資産を相続した後にはどれくらいの利益が出るかが誰が見てもわかる状態となりました。
この状態でY様兄弟の分割案を考え、兄弟間できちんと話し合うことができたそうです。

 

4.この事例から学べること

一言で賃貸アパートがあると言っても、それを相続した際に収益はどうなのか、負債を抱えることにはならないかというように、後のことを考えて相続を考える必要があります。
特に、兄弟への分割予定がある場合などは、事前にお互い収支を理解した上で相続を行わないと、後で揉めることにもなりかねません。
今回の事例のようにROAを作成することはおすすめです。第三者が見てもその資産の収益性を理解することができます。
初心者がROAを作成するのは少しハードルが高いので、自信がない方は今回のように専門家が入ってもらうと安心です。

●土地活用など、資産を生かす手立てを考えましょう

ROAを作成して、収益性が悪いかったり、赤字にある資産がある可能性もあります。
負債が発生しそうな資産はそのままにせず、改善したいものですよね。
これを機会に、せっかくの資産を有効活用できないか手段を考えて見ましょう。
場合によっては売却や土地活用など、色々な方法があります。
もちろん諸費用などを考慮すると現時点では土地活用をしないほうが良い場合などもありますので、きちんとシミュレーションすることも大切です。

 

5.まとめ

土地や家など不動産の相続は、専門的なことも多く相続をした場合のメリット・デメリットを考えることが難しいこともあります。
相続について何から始めていいかわからない、不安だ、といったことを少しでも感じているなら、ぜひ専門家にご相談ください。
個別に相談するのは億劫だと言う方は、まずはお気軽に勉強会にご参加ください。

実家の相続争い

実家の相続がトラブルの原因に…

母親の相続発生後のご相談でした。

相続人は兄弟2人で、弟さんからのご相談です。

 

長年実家で母親と同居していたお兄さんが、これからも一人で住み続けるから実家は自分が相続すると言って遺産分割がまとまらず、手続きが難航しているといった内容でした。

相続財産は、実家と預金のみでした。

ご実家の相続税評価額は約3,000万円、現預金は約1,000万円でしたので、法定相続分では各々2000万円となります。つまり仮にお兄さんが実家を相続し、弟さんが現預金1000万円を相続するのでは相続税評価額でも平等になりません。

さらに実家の換金価値を調べると、およそ5,000万円であることが分かり、なおのこと弟さんは損をしたくないという思いが強くなりました。

相続財産全体を換金価値でみた場合およそ6,000万円となりますので、2分の1にすると各々3,000万円となるため、弟さんが2,000万円も少なくなってしまいます。

お兄さんが2,000万円を補填するための代償金を支払えれば問題はありませんが、頑張っても準備できる現金は500万円とのことでした。

 

遺産分割の方法として選択肢は、3つです。

1つ目の選択肢は、実家を売却して現金で平等に相続する。

 

 

2つ目の選択肢は、実家を共有名義で相続し、相続税評価額分を平等で相続する。

3つ目の選択肢は、兄は実家、弟は現金1000万円と兄からの代償金500万円相続する。

但し、3つ目の選択肢は兄の意向を尊重することで均等配分ができず、弟は我慢が必要です。

そこでまずは1つ目の選択肢を兄に相談しましたが、母との思い出の詰まった実家を売却することは断固として反対され、その強い思い入れから弟は断念されました。

次に2つ目の選択肢も検討しましたが、弟自身に万が一のことがあれば、この相続問題を妻と二人の子供に残してしまい、家族に余計な苦労や心労をかけたくないとの思いで、共有についても断念されました。

 

つまり、結果的に3つ目の選択肢を選ばれました。

均等相続はできないが、自身にてこの相続問題を解決し遺恨を残さないことを優先されました。

 

もともと仲の良い兄弟です。

弟さんは、お兄さんとこの相続が原因で疎遠になってしまうことは避けたいとの想いから兄の提案を受け入れたのです。

 

今回の内容は、生前にお母様がご自身の財産を把握し、相続後に起こりえるトラブルを事前に想定し、家族で話し合いをすることで未然に防ぐことができたかもしれません。

兄弟仲が良いから大丈夫だ!と言われる方が数多くいます。しかし、遺されたご家族で均等な相続を行うことは非常に困難です。

自分の財産の分け方を決めることができるのは、自分だけです。

財産を残す本人が、自身の相続財産を把握し、最善の相続対策を考え・話し合い、「遺言書」にその想いを託すことが “もめない相続”を実現するカギと我々は考えます。

ホームプランナーが毎月開催する「相続勉強会」で相続の知識のみならず、考え方や起こりえるトラブルを学び、事前準備を始めてみませんか?