CASE事例紹介
不動産相続では、思わぬ相続
(争族・争続)がつきものです。
事前に事例を知ることで、
対策することができます。
不動産相続事例
思い出のつまった自宅の売却
◆ご相談内容
現在、他県に住んでいる50代男性のS様は、愛知に住むご両親が亡くなり実家を相続されましたが、愛知に戻る事はないのでどうすれば良いかとのご相談で来店されました。
相続するまでの経緯や家族構成などの聞き取りを行い、売却した場合と賃貸として貸し出した場合、このまま空家を放置した場合のメリット・デメリットと、相続税についても資料を用いて説明しました。
初回面談当日に現地を見せて頂く事になり、その際に「いくらで売れるかな?」「思い出がつまった家だから、あまり安く売るのも嫌なんだけどな」と、実家に対する想いも伺う事ができました。
お客様の現状や将来について、色々とお話をしていく中で、売却した方がお客様にとっては一番良いのではないかと思い、ご提案させて頂きました。色々悩まれた末、「ホームプランナーさんに全部まかせます」とのお言葉を頂き、売却する方向で話を進める事になりました。
ネット広告や新聞折り込みなど、様々な媒体を駆使し早期売却へ向け取り組んでまいりました。
◆結果
売却を開始しておよそ3ヶ月ほどで無事に契約となり、「思ってたいたより早かったね。頑張ってくれたんだね。」「買ってくれる人も良い人そうで安心できるよ。」と、喜んで頂く事が出来ました。
お引渡しが無事に終わり、最後に「あなたに任せて正解だったよ。ありがとう」とお言葉を頂きました。
思い入れのあるお家の売却・ご相談は、ぜひホームプランナーにお任せください。
不動産相続事例
多数の不動産を所有してるが、収益も悪く兄弟分割も難しい場合の相続
◆ご相談内容
ご相談にいらっしゃった不動産オーナーのW様ご夫婦は、60代の仲のよいご夫婦です。
W様のお父様は既に他界されており、ご兄弟は弟様が2人いらっしゃいます。ご夫婦にお子様はいらっしゃいません。弟様2人は、それぞれ近隣に住んでおり普段はあまり行き来することはありませんが、仲は悪くありません。
お持ちの資産は800坪の敷地に母屋(お母様宅)とW様のご自宅が建っています。その他に、賃貸アパートが5棟、太陽光発電をお持ちです。
お母様は現在お元気で暮らしていますが、万が一を考えて遺言を書いておこうとしたのですが、いざとなるとどう書いていいのか分からなかったそうです。そのことがきっかけで、お母様はW様ご夫婦に相談し、将来を考えて今のうちに相続対策をしようと、3人でご相談にいらっしゃいました。
◆問題点
お父様が無くなった時に自宅はお母様が、その他の不動産はすべてW様が相続しました。その際、2人の弟様には現金で分割をしています。
しかし、今度は状況が異なります。下の弟様は現在結婚していますが、賃貸住まいのため、「自分の家が欲しい」とよく言っているそうです。お母様が無くなった時には、下の弟様は不動産を欲しがるでしょうし、そうなると上の弟様も欲しがると思われます。今回も現金で分割するか、あるいは土地を渡すべきか、W様は悩んでいました。
また、5棟ある賃貸アパートですが、現在空室が増えてきており家賃も下がっている状況です。これをそのままにしておくのは、もらう側にとってもお荷物になるだけで、むしろ赤字であれば大きな負担になります。
W様は、どの不動産を渡すにしても、自分達に残すとしても、兄弟みんなが幸せになる分け方をしたいと望んでおり、この機会にこの賃貸アパートについても改善を施したいと考えていました。
◆解決策
まずW様の所有財産の内容と相続評価、市場評価(価値)、収益性の現状を把握するため、ROA診断をおすすめしました。
ROAとは、Return on Assetsの略で事業に投下されている資産に対して利益がどれくらいあるかを示した指標です。その資産がどれだけ効率性があるかを測ることができます。
W様、奥様、お母様にそのことを説明すると、「ぜひやって欲しい」とおっしゃっていただき、提出された必要な書類からROAを作成しました。
そのことで、まずは資産状況が全て見える化され、W様も現状をはっきりと把握することができましたが、そこで分かったことは、W様の資産はほぼ不動産で分割ができないということでした。そして、所有する不動産は多いのですが、収益が悪化しているということも分かりました。
このままではW様の望む幸せな相続ができないので、総合的な資産構成の改善案を考えることにしました。
W様が保有する賃貸アパートを実際に見にいってみると、アパート3棟は入り口が道路に面しているのですが、後の2棟はグルッと回らないと入り口には入れない造りとなっていました。一方で、その付近にある母屋は老朽化が進み、高齢のお母様が住むには寒く住みづらい家となっていました。
そこで、母屋を改修すると同時に、母屋とアパート5棟の領域を整理し、奥のアパートに入りやすいように動線を作ることを提案しました。そうすることで、賃貸アパートの空室率と、母屋の老朽化の両方の問題を解決できます。これにはW様もご納得いただくことができました。
また、近隣の太陽光発電についても、収益率が悪いということが問題となっていましたので、太陽光発電については、賃貸アパートを建てて別の土地活用をすることをご提案しました。
収益シミュレーションの結果、賃貸アパートの方が利益が出そうだと言うことで、こちらもW様は快諾されました。
これらにより、資産を相続した後にはどれくらいの利益が出るかが誰が見ても分かる状態となりました。この状態でW様兄弟の分割案を考え、兄弟間できちんと話し合うことができたそうです。
一言で賃貸アパートがあると言っても、それを相続した際に収益はどうなのか、結局負債を抱えることにはならないかというように、後のことを考えて相続を考える必要があります。
特に、兄弟への分割予定がある場合などは、事前にお互い収支を理解した上で相続を行わないと、揉めることにもなりかねません。
今回の事例のようにROAを作成することはおすすめです。第三者が見てもその資産の収益性を理解することができます。
ROAを作成してみると、どうやら収益性が悪い・赤字になる資産がある可能性もあります。負債が発生しそうな資産はそのままにせず、やはり改善したいですよね。
これを機会に、せっかくの資産を有効活用できないか手段を考えてみましょう。場合によっては売却や土地活用など色々な方法があります。
もちろん諸費用などを考慮すると現時点では土地活用をしないほうが良い場合などもありますので、きちんとシミュレーションすることが大切です。
不動産相続事例
引き継ぎ手のいない農地の悩みは贈与で解決
◆ご相談内容
ご主人と息子さんとの三人家族のT様。90歳を超えるT様のご主人のお父様は、現在いくつかの農地を保有しており、年齢的にも相続が近いとT様は感じていますが、ご主人も糖尿病で現在入院しており、相続が発生した時が不安とのご相談を受けました。
◆問題点
お義父様が保有されている資産はご自宅と多数の農地で、農地は人にお貸ししている状態です。
今回のT様の場合、法定相続人への農地の相続になるので、農地の名義変更を行うとき農業委員会の許可は不要ですが、農業委員会へ届出をする必要があります。届出は、相続発生から10ヵ月以内に行わなければならない決まりがあり、その期限を過ぎると、10万円以下の罰金が課せられる場合があるので注意が必要です。
また、農地は農業に使う前提の土地なので、転用する場合には農業委員会の許可が必要になりますし、例えば宅地として使用するには地盤の改良やライフラインの整備など工事が必要になることもありますので、推定相続人が農家以外の場合は、生前に対策を考えておく必要があります。
農地の相続には、農業の継続や農地法の問題もあると知ったT様は、お義父様が元気なうちに農地の売却も視野に入れ始めました。農地は利用目的や売買が制限されており、農家ではない人が農地を相続しても、活用できないケースが増加しています。
農業の継続や農地法の問題から、現在お義父様が保有している農地を管理しきれるか不安に思ったT様は、農地を売却することをお義父様にご提案されましたが、お義父様は土地を売ることには消極的で、お金はいらないとおっしゃいました。
◆解決策・結果
T様のお義父様は、現在多数の農地を保有しておりますので、相続対策をするために600坪の農地を不動産会社へ一度売却し、その資金で、路線価の高い土地に借家を建てて頂くというご提案をしました。そして建てた借家を『相続時精算課税制度』を使ってお孫さんに贈与するという内容です。
相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。
この制度には2500万円の特別控除があるため、相続財産を生前に2500万円まで税金を払わずに前渡しすることができます。すなわち、相続時精算課税制度を利用することで、多額の金銭等の贈与を生前に行ったとしても、贈与税の負担がなく財産の移行を行うことができます。
お義父様がお元気なうちに今ある農地を売却し、新たに土地を購入してT様の息子さんへ生前贈与するという、農地の売却を考え始めていたT様の考えと、土地を売ることに消極的であったお義父様の考え、双方の意見を取り入れた提案により、T様の相続に対する不安は払拭され、一番良い方法で相続の手続きをすることができました。
『相続時精算課税制度』は、高齢者から資産の贈与を行った場合に2500万円までの贈与が非課税になる制度のことです。高齢者が保有している財産を早いうちに若い世代に移行させ、財産を贈与された側がそれを使うことによりお金を循環させ、経済活性化を図ろうという目的でつくられました。
一見お得そうに感じる制度ですが、110万円の贈与が毎年非課税になる「暦年贈与」を使えなくなる・申告の手間が増えるなどの色々な注意点もありますので、場合によっては全く節税対策にはならないこともあります。しかし、この制度を使ったほうが得をするケースも勿論あります。
相続時精算課税制度を利用したほうが良いケースとしてあげられるのは、賃貸物件がある場合です。賃貸物件を贈与した場合、毎月の家賃収入は贈与を受けた側のものになるため、収益分は相続財産にはならず相続税がかかりません。
今回のT様のケースでは90歳を超えるT様のお義父様は多数の農地を保有していましたが、最初は「お金はいらない」という理由で農地を売却することを拒否されていました。T様のご主人も糖尿病を患っており、多数の農地を管理できずにせっかくの土地を持て余してしまうかもしれませんでした。
しかし、農地を売却し賃貸物件を建ててそれをお孫さんに相続することにより、お孫さんは早いうちから家賃収入を得ることができるようになります。
お金はもうそんなに必要ない、とおっしゃっていたお義父様が農地を保有している状態よりも土地を有効活用できて利益を生み出せるうえに、節税対策にもなるということです。
不動産相続事例
再婚同士の不動産相続の解決事例
◆ご相談内容
賃貸業を営む不動産オーナーのTさんからのご相談です。
80歳になった年に余命2年の宣告を受けたことをきっかけに、自分の資産をどのように残していくか悩んでいました。
Tさんには妻がおり、自分が死んでから苦労をさせたくないという気持ちが強かったことから、妻に資産を渡したいという意向がありました。
◆問題点
しかし、奥様は賃貸経営に自信が持てず不安を抱えていらっしゃるようでした。また、相続が複雑になりそうな要因もありました。それは、Tさん一家の家族構成。
実は、Tさんの妻は後妻で、2人は再婚同士。それぞれに実子がいました。そのため、もしTさんが妻に資産を渡したとすると、亡くなった後は妻が前夫との間にもうけた実子に引き継がれることになります。それは、Tさんの実子もよく思わないはずです。
◆解決策
Tさんから事情をヒアリングし、お持ちの資産状況や相続関係を整理しました。また、不安を抱えているという相続人候補の奥様の相談にも乗り、状況を整理しました。その後、状況を考慮し様々な選択肢を考えた中で提案したのは、「持っている不動産のひとつを売却して現金を分ける」というものでした。
初めにこの提案を聞いたTさんは、「不動産屋は結局、売らせたいだけか」とうんざりしたそうです。確かに売却というのは、不動産会社としても報酬の大きくなる選択肢で、実は今回、合理的に考えても保有していた不動産を売却するという案はあり得ないものでした。というのも、売却対象の物件は、一部上場企業が一括して賃借人となっており、賃料収入は年間約6,000万円にのぼるからです。そんな優良資産をみすみす手放すのは、理にかなっているとは言えません。また、売却して現金が増えると相続財産評価もあがることから、相続税額も増え、さらに売却益に対しての譲渡所得税もかかります。
奥様へヒアリングをしたときに感じたのは、「不動産経営をしたことがない立場で急に引き継ぐことになるのは、ただでさえ不安。さらに後妻の立場で夫の不動産経営を引き継ぐことは、いっそう大きな不安があるのだろう」ということでした。
一方、Tさんは「妻に十分な収益を残したい」と言っていましたが、その真意は「自分のいなくなった後、世話になった今の妻に苦労をさせたくない」ということだったのです。
しかし、もし社宅が空いて、収益が得られなくなったとしたら、賃貸経営に詳しくない奥様にとって負担でしかありません。ちなみに、社宅が建つのはTさんが先祖代々受け継いできた土地。奥様が売却しようものなら、「夫が亡くなって土地を後妻が売った」と囁かれることは想像に難くありません。
こうした事情を踏まえて、Tさんに「本当に奥様の負担を考えるなら、売却を決断できるのは賃貸経営をはじめたTさんしかいないのではないでしょうか」と伝えたのです。初めに提案を受けたときは怒りを隠さなかったTさんですが、その話を聞いてから2週間ほど、しばらく考えて奥様とも相談し、「不動産を残そうとしているのは、自分の事業を家族に継承したかったからで、それは自分の満足でしかなかった」と、売却を決心されました。
◆結果
結果として、Tさんは社宅に加えて、夫婦で住むには広すぎた自宅兼店舗ビルも売却することにし、全部で約3億5000万円の収入を手にしました。そこから、税金や新居の建築費などを引き、2億円の現金を残すことができました。現金のほとんどは妻、残っている貸地をTさんの実子である長男、新しく建てた自宅とその土地を長女がそれぞれ相続することにしました。
はじめに勉強会に参加してから結論に至るまでおよそ2か月。その後の売却もスムーズに進みました。
Tさんの抱えていた悩みは晴れ、その後実際に訪れた相続でも、家族でもめることなく円滑に手続きが済みました。