CASE事例紹介

不動産相続では、思わぬ相続
(争族・争続)がつきものです。
事前に事例を知ることで、
対策することができます。

不動産相続事例

「財産の中身の把握と分割の仕方で節税にも繋がる」

不動産オーナーであるO様(78歳)は、現在奥様と2人で暮らしており2人のお子様がいらっしゃいます。
300~400坪の土地を多数、その他複数の借地権を保有しているO様ですが、その土地であまり収益を得られていない状態です。そして今は元気に過ごしていますが、ご自分の年齢を考えてそろそろ不動産相続についても考えなければと感じています。
O様は保有している財産が多いわりに全体の収益比率は悪く、土地を有効活用できていない状態でした。全く利用せず持て余している土地もあり、この土地を使って効率よく収入を得たいと思っています。
また複数の遊休地・貸地・借地権を保有しているO様は、それぞれの資産をどのような形で奥様とお子様に分けるのがいいのか、それに加えて節税対策なども知りたいと思いご相談にいらっしゃいました。
はじめに、土地の相続についてO様は、奥さまとお子様に土地を平等に分割して分ければ問題ないと考えていましたが、「財産の分け方を間違えると節税にも失敗する」ということをご説明しました。
例えば、財産が1億6000万円あり、配偶者と子ども2人に財産を分けるとします。一次相続では配偶者が全ての財産を相続すれば、相続税はゼロになります。これは「配偶者の税額軽減」という、夫婦間で財産を相続する場合は1億6千万円までは相続税は課税されないという制度があるからです。
それならば、とりあえず財産は配偶者が全部相続するのが良いと思ってしまいがちですが、この制度を利用して多額の財産を相続した配偶者が亡くなれば、子供たちに二次相続が発生します。子供は配偶者ではないので、多額の財産の相続税を払うことになるのです。
配偶者がまだ若い場合は、一次相続で全部財産を相続しその後何らかの節税対策をすることも可能ですが、配偶者が高齢で一次相続の後すぐ亡くなった場合、二次相続で払う相続税は高額になってしまいます。
このように、配偶者の年齢によっても財産をどう分けるかで節税に失敗してしまうこともあり、相続においては二次相続まで見据えた最適な分配比率を考える必要があります。
また、財産の中身を分析せず比率だけを考えて財産を分けることは危険です。
また、O様はこれからの遺産相続の相談も大事ですが、現在の保有財産からの収益をあげることがまず最優先と考えていましたので、しっかりと保有している財産の中身がどういうものなのか分析する必要があります。
財産の中身を分析するために「財産分析書」を作成しました。そして分析をして財産を分類したところ、保有している土地のうち400坪規模の遊休地2つと200~300坪の貸地3つの収益性が低いことが分かりましたので、貸地の底地処理と、それにより得た収益での土地活用を提案しました。
複数の土地を所有していても、立地条件などによって資産価値は変動します。所有している土地がどのような土地なのかをしっかりと把握しておかなければ、その土地から得られる利益がどれくらいなのかを理解することはできません。
O様のように土地を活用することなく持て余してしまっている人も多いと思います。不動産の知識がないばかりに悪い不動産業者の言われるがままに土地を安く売ってしまい、損をすることもあるかもしれません。
そのようなことがないように、客観的に財産を分析してデータ化し、不動産の知識がない人でも分かりやすく納得のいく説明をしてくれる不動産のプロを見つけ、相談することが大切です。また、相続の際も財産の分け方を間違えれば節税にも失敗してしまう可能性がありますので、複数所有している土地のそれぞれの価値を理解できていれば、正しい分配比率で相続人に分配することができます。
財産の中身を分析することは、遺産を相続することになった相続人にとっても大切なことです。もし自分が相続人になる場合は、その財産の中身がどのようなものなのかをまず把握するようにしましょう。
相続というと、お金や土地を引き継ぐというプラスのイメージがあると思いますが、相続はプラスだけでなく、借金などのマイナスの遺産も引き継がれます。また、土地は所有するだけで固定資産税を払う必要があります。
相続した土地が利用価値があまりないなければ、負担だけが発生する場合もあるので、遺産相続をした場合はまず遺産の中身を分析し、有効に活用しましょう。

不動産相続事例

「自筆証書遺言と公正証書遺言の違い」

今回ご相談に来られた60代のF様は、先月お母様を亡くされました。お父様は3年前にすでに他界されています。
F様は長女で兄1人と弟2人がおり、皆家庭を持って別々に暮らしています。昔からあまり仲が良いとは言えず、実家を出てからは4人そろって会うことはほとんどありませんでした。亡くなったお母様の資産は、預貯金600万円と不動産5500万円になります。
F様のお母様がお亡くなりになってから数日後、長男であるK様から「母が書いた遺言書があったので、裁判所に来てほしい」という連絡がありました。そこで遺言書を見てF様は大変驚きました。
自筆の遺言書が見つかった場合、発見した相続人は遺言書を家庭裁判所に提出し、「遺言書の検認」の手続きをする必要があります。封印されている遺言書は勝手に開封をしてはならず、裁判所に検認を申し立て、相続人の立ち合いのもと家庭裁判所で開封し内容を確認することになっています。
お父様が亡くなられた時も遺言書があり検認を行ったので、今回も同様と思いF様は裁判所に向かいました。そして裁判所で出された遺言書には「現金は子供4人で均等に分ける」「不動産は長男と次男だけで分ける」と書かれていました。
この内容は長男のK様と次男にとって明らかに都合がよいものになっているため、F様は納得がいきませんでした。しかも、F様のお母様は認知症気味でしたので、この遺言書が本当にお母様の意思かどうか疑わしいと感じられたのです。F様は、長男のK様が、自分に都合のよい内容を、認知症気味だった母に無理やり書かせたのでないかと考えました。
遺言書を書くのは多くの場合が高齢者ですので、その中には認知症の疑いがある方や、判断能力が低下している方もいらっしゃいます。遺言書が有効と判断されるためには、書いた本人が遺言を残す時点で「遺言能力」を備えている必要があります。「遺言能力」とは、遺言の内容を理解し、その結果どうなるかも判断できる能力のことです。この遺言能力がない者が作成した遺言書は、無効となってしまいます。さて、今回のFさんの場合はどうでしょうか。
F様のお母様が残された遺言書は自筆でした。自筆の遺言書は一人で書くことができますので、それを書いた時点で認知症だったのか、また誰かに書かされたのかなどを立証できる人がいないため、遺言書が有効かどうか判断することが難しくなります。納得のいかないF様は公的に判断してもらうほかに方法はないと思い、裁判を起こすことに決めました。
このような自筆証書遺言が引き起こすトラブルというのは珍しいことではありません。このようなトラブルを避けるためにも、遺言書は公正証書遺言を作成しておくことをおすすめします。
公正証書遺言とは、公証役場で公証人に書いてもらう遺言のことをいいます。証人が2人以上立ち合い、遺言者が口で伝えた内容を公証人が筆記し作成します。遺言書を残す場合は、自分の判断能力に少しでも不安がある場合は公正証書遺言で作成したほうが良いでしょう。公証人と証人2名がいますので、遺言を残した時点で遺言能力があったかどうかなどの争いを避けられる可能性が高くなります。
また自筆証書遺言は遺言能力があるかないかの問題以外にも、日付がない・押印がないなど様々な理由で無効になってしまう場合も多くあります。公正証書遺言は法律のプロが作成するため、このような形式の不備で無効になるといった心配もありません。
今回F様のケースのように、自筆の遺言書というのは実はとてもトラブルを起こしやすいものなのです。書いたのは本人なのか?誰かに書かされたのではないか?判断能力はあったのか?など、信憑性に欠けるため、争いに発展しかねません。手軽に自分一人で作成できるというメリットはありますが、その分内容の不備があり無効になるといったことも珍しいことではありません。公正証書遺言であれば絶対に無効にならない、トラブルが起こらないというわけではありませんが、このようなことを避けられる可能性は自筆証書遺言に比べれば、はるかに高いといえます。
いざ遺言書を書こうと思っても、どのように書くのか、どのような種類のものがあるのかを知らない人は多いと思います。せっかく遺言書を残しても、その効力が認められなかったり、親族同士の争いが起きてしまったら元も子もありません。出来る限り安全で確実な遺言書を作ることが大切です。

不動産相続事例

「過去に不法投棄のトラブルがあった不動産の相続」

16年前に田舎のご実家を離れ、現在は旦那様と2人のお子様と関西で暮らしている30代のE様のご相談です。
お母様が5年前に亡くなられてから、お父様は田舎で一人暮らしをされていました。
E様とご両親の関係はあまり良好ではなかったため、E様がご実家を離れてからは帰省することもあまりなかったそうです。
そしてお父様が昨年他界され、E様はご実家近くの約500坪の土地を相続することになりました。
現在は関西でご家族と暮らしていて、また今後田舎に戻る気もないE様は、お父様から相続した土地をどうすればいいかと悩んでいました。このままでは利用していない土地の固定資産税だけを払うことになってしまうため、E様はこの土地を売却しようと考えました。
購入してほしい土地があるとE様から相談を受け、実際にF様の相続したその土地を確認しにいきました。すると、この物件を業者に購入してもらうには開発行為に必要な4メートルの道路を確保する必要があり、またそのためには近隣の協力が必要なことが分かり、E様は、近隣に協力をお願いしに行きました。
しかし、「一切協力はしない」と断られてしまったのです。なぜなのか理由を探ると、E様のお父様はこの土地を長年放置していたために雑草が生い茂り、また不法投棄も後を絶たなかったようです。そして苦情が入ってもお父様は全く対応をしなかったので、近隣からの怒りを買ってしまったようです。
協力を得られなかったE様は、開発行為に必要な道路を確保できなかったため、業者にこの土地を購入してもらうことが不可能になりました。
つまり、E様は不動産を現金化することができなくなってしまったのです。
このように、空き家や空き地をきちんと管理せず放置すると、様々なリスクを負うことになります。建物が老朽化し倒壊する可能性や、不審者や動物が侵入しそこに住みついてしまうことがあるかもしれません。ゴミなどを不法投棄されれば、悪臭が発生したり、景観も悪化します。
空き家や空き地を所有している方は、このような問題が起こりうるという事を自覚することが大切です。放置している期間が長ければ長いほど、リスクは高まりますので、売るか貸すか、別の活用方法を考えるのか、早めの対処が必要です。
なんらかの理由で空き家や空き地をそのまま残しておく必要がある場合は、空き家管理会社に管理を委託するという選択肢もあります。
空き家や空き地を放置することでもっとも問題なのは、E様のお父様のように近隣の住人に迷惑をかけてしまうことです。
ゴミの放置による悪臭や景観の悪化、建物の倒壊による被害、不審者の侵入や放火の危険性など、近隣に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、トラブルに発展することも珍しいことではありません。
お父様から不動産を相続したE様は、近隣の住人からの協力を得られずに不動産を売却することができませんでした。所有している不動産の立地条件や状態によって売りたくても売れないケースは多くあります。
今回のケースでは、管理をきちんとしていれば、業者に売却することができたのです。
このように、出来る限り不動産を売りたい時に売るためには、事前の対処が重要になります。

不動産相続事例

「リフォームと贈与で相続対策の結果、節税にも」

2棟のアパートのオーナーである、S様は75歳で娘さんがお一人いらっしゃいます。奥さまは4年前に亡くなられていて、続税対策などをそろそろ考える必要があると感じ始めました。
S様が所有するアパート2棟は計15世帯のうち、5世帯しか入居がない状態で、借入の返済もあるためキャッシュフローがマイナスとなっていました。
アパートなどの賃貸物件は、空室が多いと相続税は高くなってしまいます。
貸家の相続税評価は、入居率が高い方が土地と建物の評価額が下がるため相続税が安くなるのです。S様は入居率の低いアパートを娘さんに相続する際の相続税がどれくらいになるのかをご心配していました。
しかし、S様のアパートは入居者が少なく築年数も古いので、家賃収入が少ないにも関わらずこれから修繕費などが増えていくことになるので、娘さんはアパートはいらないと言っているそうです。そこで、まずは節税対策などよりも先にリフォームをしてアパートの入居率を高めれば、娘さんもアパートを相続しても良いという状態になるのではないかと提案しました。
それと同時にリフォームは、入居率のアップが見込めるだけでなく節税対策にもなります。
まずリフォーム代を支払うことで現金という相続財産が減るので、その分相続税を減らせすことができます。そして増改築や種類変更を伴わない程度のものであれば、リフォームをすることにより建物の資産価値は上がりますが、固定資産税には反映されないので、建物の相続税評価額は変らないのです。
S様は娘さんと話をして、入居率が上がり節税になるならと、アパートをリフォームすることにしました。そしてリフォームの結果、アパートは12世帯まで埋まり、キャッシュフローもプラスになったので、娘さんもアパートを相続しても良いということになり、S様は建物だけを娘さんに贈与しました。
アパートを生前に贈与して娘さんに家賃収入が入るようにし、S様のお金をこれ以上増やさないようにすれば 相続財産の増加も防止できるので、さらに相続税の節税対策ができる結果となりました。
S様のように、古いアパートなどをお持ちで、子供たちに相続させたいと考えている親御さんにとって リフォームは相続税対策の有効な手段です。
相続税対策の基本の1つは、相続財産そのものを減らしておくことです。減らすといっても、必要のないものを買って減らすのでは意味がありません。
しかし、古いアパートを所有していて今後リフォームをする必要があるとお考えの場合はそのリフォームを親が亡くなる前に親の現預金で済ませれば、リフォーム代金分の相続財産を減らすことができます。もともと今後必要になってくる費用なので、現金を有効活用できる上に節税対策にもなります。
そして増改築や種類変更を伴わない程度のものであればリフォームをしても建物の相続税評価額は上がらないため、相続上の評価は変えずに建物の価値を上げた状態で贈与することができます。